整骨院を開業するまでの流れを完全解説。開業する前に知っておきたい7つの手順

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「整骨院の開業のためには何をすれば良いのだろう…」と悩んでいませんか?開業したいという思いばかり先行しがちですが、整骨院開業のためには意外と資金もかかるし、事務的な手続きも多くて大変です。全体像を理解してどのくらい時間がかかるのか、どのくらい資金が必要なのか、などを早めに考えておきましょう。

この記事でわかること
・整骨院を開業するまでの流れ
・整骨院の開業に必要なもの


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先生

整骨院を開業する時にはたくさんの労力がかかります。普段はあまりやったことがない業務なども行わないといけないので、精神的にも疲れてしまいます。しかし、それも開業の流れがある程度掴めていれば、0知識から開業するよりは比較的ラクに開業までたどり着けますよ。

まずは、自分の施術範囲を認識しておく

整骨院とよく似たもので「整体(マッサージ)店」や「カイロプラティック」などがあります。来るひとはよく間違って来たり、あまり違いについて認識がなくて来たりするため、自分たちが行う施術範囲を認識しておきましょう。

整骨院・接骨院

整骨院は、「柔道整復師」と呼ばれる国家資格を持っている人たちが打撲や捻挫、骨折などの施術を行う場所です。健康保険で施術をすることができ、開業するには、必要書類と保健所への届け出が必要。

しかし、整形外科の先生のような医師免許は持っていないため、薬を処方したりレントゲンを撮影することはできません。

整骨院が保険適用できるケース

接骨院や整骨院での施術には、健康保険や生活保護法による医療扶助、労災保険や自賠責保険が適用されます。
これらの保険が適用される範囲は、外傷性が明らかな原因の外傷に対する治療です。医師の同意が必要なのは「骨折」「脱臼」の応急手当を除く治療を施すときだけです。 打撲、捻挫、挫傷などは医師の同意は必要ありません。
慢性的な肩こりや内科疾患が起因の腰痛などに対する施術は健康保険の対象外となります。 また、仕事中や通勤途中のケガは労災保険適用です。交通事故によるケガは自賠責保険の適用となります。

By: shadan-nissei.or.jp

整体(マッサージ)

整体は無資格で営業することができます。誰でも施術を行えるため、開業ハードルは低いですが、来る患者さんは健康保険を使っての施術は行えません。また、整骨院とは違い、骨折や捻挫などの処置を行うこともできないため、あくまで肩こりを和らげるなどといったことまでしかできません。

カイロプラティック

そもそも、カイロプラティックはアメリカ発祥の施術方法です。身体の歪みを矯正したり機能をする効果が期待されています。日本では無資格で営業することが可能ですが、海外などでは資格が必要だったりします。

また、整体や整骨院との違いは、歪みの改善などでは留まらず、自然治癒力などを高めたりする効果も期待されているところです。

POINT

似たような業種・業態ではありますが、開業に関する規約などが全くと言って良いほど違うので、自分が出店したいお店がどこに位置するのかをはっきりさせることが大事。

整骨院を開業するまでの大体の流れ

開業するには資格が必要なので、資格の確認をまず行います。そこから開業に向けての計画、開業してからの計画・コンセプトづくりを行いましょう。計画やコンセプトが決まったら、それに基づいた資金が必要になるので資金集めが必要。

資金が集まったら物件を決めて内装工事を行います。物件が整った段階で、ベッドなどの大型なものから細かなものまで必要な備品を購入しましょう。

準備が整ったら各期間に届け出を出して、開業です。

1つずつ細かいところを確認します。

STEP1|保有資格の確認を行う

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当然ですが、国家資格である柔道整復師の免許が必要です。それに加えて健康保険による施術を行うには、「施術管理者」としての資格が必要です。

施術管理者については、2018年の4月に法律の改正があり、要件が大きく変わりました。具体的には次の2つです。

必要要件

・(資格取得後)3年間の実務経験があること
・(資格取得後)16時間以上、2日間の研修を受講していること

ただし、これは段階的に実施されるものとされており、3年間の実務経験について実際に必要になるのは平成36年4月以降の届出が対象です。それ以前は、届出を出すタイミングによって必要な実務経験が異なります。

研修の受講については、平成30年度の届出については「届出から1年以内に研修を受講し修了すること」と要件の緩和がされています。

このように常に変わり続けるため、開業するためには事前に資格についての確認を早めに行うことが必要です。

詳しくは以下の記事で紹介しているので、気になった方はチェックしてみてください。

STEP2|事業計画を立てる

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開業する整骨院のコンセプトや届出などの情報の整理、開業日の決定を行います。特に大事なのは、絶対にぶれることのないコンセプトです。

コンセプトがしっかりと決まってない状態で開業準備を始めてしまうと、内装や外装の雰囲気がめちゃくちゃになってしまい、他店舗との差別化もできなくなってしまいます。あなたのコンセプトを実現するために、どこにお金や時間を費やすべきなのかの判断がしやすくなります。

また、事業計画は、銀行などから融資を受ける場合には基本必要です。事業計画書1つでお金を借りられるかどうかの是非が決まる場合もあるので、作り込んでおくことをおすすめします。

STEP3|開業資金を集める

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自己資金で全て用意するのか、日本政策金融公庫や事業融資を受けるか、家族から借りるのか、で異なります。

多くの人が融資を受けることになると思います。融資には審査に2週間程度かかり、振込がさらにそこから2〜4週間かかることがあります。

かなり余裕を持って計画をしておかないと、お金を払うタイミングと融資のタイミングがずれてしまいます。お金を払えないというトラブルになってしまうので要注意が必要。


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先生

整骨院の先生が資金を調達する方法はさまざまな方法があります。ものによってはかなり厳しい審査を通過しなければならなかったり、事業計画書を提出しなければいけなかったりと大変です。資金を集める必要性がある人はスケジュールを前倒しで資金集めのための動きをしましょう。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

STEP4|物件と内装を決める

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事前に決めた計画や集めた資金の範囲内で物件と内装を決めます。開業にあたって1番大きな出費となるので、やりたいこと、事業計画、準備できる資金とのバランスを考えて物件や内装を決めましょう。

物件はあなたが欲しいと思った時に、最高の物件が出てくるとは限りません。かなり早めに不動産に相談して、自分が気にいる物件がどんなものなのかをイメージしておくと良いでしょう。また、1つの不動産業者ではなく、いくつかに同時に相談しておくことをオススメします。

物件はすぐに入居できない場合も多く、入居できるまで1ヶ月かかってしまうこともあります。また、居抜き物件の場合は前のオーナーの内装がそのままになっていて、内装の施工費用が余計にかかることもあります。物件を決める段階で、内装業者に相談もしておくと良いでしょう。

整骨院の内装については下記の記事で詳しくふれています。

STEP5|必要な備品を購入する

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施術のためのベッドや電気、レジなど最低限必要なものと、コンセプト実現のために欲しいもので分けて購入リストを作成すると良いです。主に整骨院を開業する上で必要となる備品は以下です。

必要な備品

・脱衣かご
・スリッパ
・タオル
・枕
・治療機器
・診察台
・バインダー
・ソファー

その他、必要に応じて購入する必要があります。整骨院を開業する時に必要な備品をメインに取り扱っているサイトなどもあるので、そちらなどで購入しておくと抜け漏れなく購入することができるでしょう。

STEP6|役所などに必要書類を提出する

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必要書類としては下記のものがあります。

必要書類

・施術所開設届け(保健所)
・共済番号(国家公務員・地方公務員共済組合連盟)
・防衛省番号(防衛省人事教育局衛生課)
・受領委任契約(地方厚生局)
・労災保険(労働基準局)


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先生

役所に提出する書類は非常に重要です。めんどくさがらずにしっかりと提出するようにしましょう。また、こちらは書類に不備などがあると、差し戻しをされたりするため、開業許可が下りるのがズルズル伸びる可能性も。届出はなるべく早くやるようにしましょう。

それぞれ届出先も違ったり、提出期限も異なったりします。例えば施術所開設届けの提出が承認されていないと、患者さんが来院しているにもかかわらず、保険の請求ができないという事態になります。必ず事前に確認して期限を守るようにしましょう。

STEP7|開業

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この一連の流れが整骨院を開業するまでの流れです。意外にもそこまでステップがないように思いますが、実際は、細かい作業が多く、整骨院を開業することに数ヶ月を要します。

自分1人で開業するのが大変だと思った方は、整骨院の開業支援をしている会社もあるのでそちらに依頼してみるのも1つです。

整骨院は開業することがゴールではなく、スタートです。開業して満身創痍にならないように、しっかりとした準備のもとで開業することをおすすめします。

整骨院を開業する際のQ&A

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整骨院を開業するときは、開業までの流れだけではなく、それ以外の不安要素などもたくさんあります。そこで、整骨院を開業する際によくみられる代表的な質問に対して回答してみました。

Q1.整骨院を開業した際の年収

整骨院を開業した際の年収は、業績によるため、一概にいくらになりますとは言えませんが、月25~35万円くらいが良いところです。整骨院を開業すると売上は基本的に会社もしくわ個人に入ってきますが、店舗費や機材費、広告費などランディングで引かれる金額も大きいです。そのため、柔道整復師として会社勤務していた時代では発生しなかった支出が結構あります。

Q2.整骨院は失敗するの?

整骨院を開業した場所の立地が悪かったり、お客さまの満足度が悪かった場合、失敗するケースもあります。実際に、成功している整骨院も多数ありますが、それ以上に失敗している整骨院もあります。

下記に成功している整骨院の特徴と失敗している整骨院の特徴をまとめた記事があるので、チェックしてみてください。

Q3.開業後は儲かるの?

こちらは年収のお話にも関わりますが、整骨院の場合、儲かっている整骨院も多くあります。一方、全く儲かってない整骨院もあったりします。儲かっている整骨院だと売上が年間で2,000万から3,000万を超える整骨院などもあるので、決して儲からないという訳ではありません。

場所やサービスの質、内装、集客など全てが円滑に進んでいる状態だからこそ、そのような売上を達成することができます。

まとめ

今回は、整骨院の開業に関する流れを説明しました。開業までにはいくつかのステップがありますが、大変なのは資金集めと書類の提出などです。そのあとは比較的スムーズに進められます。

また、整骨院の開業を手伝っている会社なども世の中にはあるので、開業コンサルの会社を頼ってみるのも1つです。集客や開業した後のことなども聞けるため、整骨院の開業について不安だと思っている方は、1度話を聞いてみるのもポイントです。

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